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バレーボールで社会に貢献する――選手たちが伝えたいことと、地元への想いとは


JTのバレーボールチームは、バレーだけじゃない?

10月から、日本バレーボールのトップリーグである大同生命SV.LEAGUEが開幕。それまで開催されていたV.LEAGUEから、新たなリーグになって初めてのシーズン開幕ということもあり、こころノート編集部の周辺でもしばしばバレーが話題に。応援ムードが高まってきていて、なんだかワクワクします!

そんなムードも相まって、JTのバレーボール部について社内を調べていたところ、「バレーの試合に加えて、社会貢献活動にもかなり力を入れているらしい」というウワサを聞きました。バレーボールで社会貢献? どんなことをするんだろう……? ふと疑問に思い、広島サンダーズの選手に話を聞くべく、本拠地である猫田記念体育館へ取材に伺いました。

創部から90年以上! 歴史あるバレーチーム

広島サンダーズは、1931年ごろに創部されました。JTの前身である日本専売公社の、広島地方専売局でバレーボールチームができたことが始まりとなっています。男子チームでは、1967年開催の「第1回日本リーグ」から国内リーグに連続出場している、唯一のチームです。
現在は、若手からベテランまで、19人の選手が所属。その名の通り広島をホームタウンとして、チームカラーであるグリーンのユニフォームに身を包み、一丸となってリーグ優勝を目指しています!

2023-2024シーズンの試合より

「広島といったらサンダーズ」と言われるようになりたい

練習の合間を縫って、主将の井上慎一朗選手と、山本将平選手にお話を聞きました。

ゆみ:いよいよ大同生命SV.LEAGUE開幕! ……ですが、試合で戦うことに加えて、オフシーズン中には社会貢献活動へ注力していると聞きました。どんなことをしているんですか?
 
井上選手:主に、中国地方の小中学校・高校の部活でバレーボールをしている生徒や児童を対象とした、バレー教室です。また、僕たちサンダーズのホームタウンである広島市には、子どもたちにスポーツの楽しさを伝えることを目的とした、「Doスポーツ 体育指導者招へい事業」という取り組みがあるんです。その一環で小学校の体育の授業へお招きいただき、バレー指導を行っています。6~7月のオフシーズンには、選手たちが4人ほどのチームになって、それぞれ20校ほどに訪問。僕たちが行う社会貢献活動の中心になっています。
 
山本選手:他にも、子どもたちだけでなく、バレーを趣味として楽しむ大人の方へ向けても指導に伺います。加えて、病院に併設されている保育園へ伺って小さな子どもたちと触れ合ったり、災害支援のための街頭募金活動や、地域の清掃活動をすることもあるんですよ。

ゆみ:かなり広く活動されているんですね!活動の中心となる体育の授業でのバレー指導は、どんなことをしているんですか?

井上選手: 子どもたちの中には、広島サンダーズを知らない子もいるので、まずは自己紹介。僕たちの身長を言うとすごく驚いてくれます(笑)。その後、デモンストレーションとして、スパイクやサーブを見せて、バレーの迫力を感じてもらいます。

山本選手: 雰囲気がほぐれたら、実際に子どもたちとバレーを行います。初めてバレーに触れる子どもたちがほとんどなので、球技としての楽しさというよりも、動作がうまくできるようになる楽しさを感じてもらったり、初めて取り組むスポーツにチャレンジしてもらうことを大事にしています。

井上選手: そうそう。「体育館のバスケットゴールに、オーバーパスでボールを入れてみよう」とか、「1クラスを数チームに分けて円になり、ボールを落とさずにラリーを続けてみよう」とか……ゲーム感覚で取り組めるアクティビティをよく行いますね。

ゆみ: 運動が得意な子も苦手な子も、とっても楽しめそうです。選手の皆さんとしては、どんな気持ちで授業に取り組んでいるんですか?

山本選手:僕は、子どもにとって新しい刺激が得られる授業にしたいと思っています。僕たちは20回ほどの授業を持ちますが、子どもたちからしたら年に1・2回しかない機会。子どもたち一人一人のプレーに毎回全力でリアクションし、向き合うのはもちろんのこと、何より僕たちが楽しんでいる姿を見せることで、バレーという新しい刺激を少しでも子どもたちの心に残せるように取り組んでいますね。慎さん(井上選手)はどう?

井上選手:僕が意識しているのは、チームで何かを達成する面白さを伝えること。例えば、みんなで円になってラリーを行う時は、5分ぐらい取り組んだらいったん止めて、作戦会議の時間を設けるんです。どうやったらパスがつながるかを話し合うと、その後にうまくいくことがすごく多い。「もっとうまくパスをつなぎたい」という気持ちの下に一つになって協力し、それが結果になる達成感を子どもたちに感じてもらえたら、という想いで授業をしています。

ゆみ: お話を聞くと、そのような社会貢献活動が、地域との交流にもなっているように感じます!

井上選手: そうなんです。授業で初めてバレーを知った子どもが試合会場に来て、「あの時はありがとうございました!」と声をかけてくれること、結構あるんですよ。有意義な授業ができていたのだと実感するとともに、僕たちの応援もしてくれて……一番うれしい瞬間ですね。

山本選手: 僕たち選手は、バレーのリーグが始まりオンシーズンに入ると、基本的には試合と練習が生活の中心になります。すると、自分たちがバレーを行う意義について、見失う時があるんです。でも、オフシーズンの時に外に出て、子どもたちと交流する中で、「試合見に行きます! 頑張って!」と言われたことを思い出すと、試合や練習に打ち込むモチベーションが湧いてきます。

2023-2024シーズンの試合より

ゆみ: 地域の方との交流が、試合でプレーする上での力になっているんですね。それでは、ホームタウンである広島の方への想いを教えてください。

井上選手: 広島は、野球やサッカー、バスケットボールでも強いチームが多い地域。それもあって、スポーツ観戦を好きな人が多いんです。バレーの授業での関係に限らず、よく行く飲食店の方が応援のために試合へ来てくれる、という交流もあります。こうした環境の中でバレーができるのはありがたいことだと、常々感じています。

山本選手: 試合会場でもフランクに声をかけてもらうことが多く、応援してもらえていることを実感します。だから、僕たちの活動を通してもっと広島に貢献して、地域の皆さんへ還元したい。それを通してサンダーズのことを好きになってもらい、「広島といったらサンダーズだよね」と言われるぐらいにならなきゃいけないな、と思います。

2023-2024シーズンの試合より

参加者にとっても、選手にとっても豊かな時間

お話を聞いて、井上選手・山本選手共に、社会貢献活動とそれを通した地域の方々との交流を楽しんでいる様子がうかがえました。バレーボールをきっかけに豊かな経験を提供し、それが選手自身にも応援となって返ってくる……。社会貢献活動は、参加者にとっても選手にとっても「心豊かでいられる時間」なんですね。

広島サンダーズが出場する大同生命SV.LEAGUEは、2024年10月11日に開幕。私もこころノート編集部メンバーを巻き込んで応援しています。毎週末の試合から、目が離せません!(2024年8月時点情報)

関連リンク
広島サンダーズ | JTウェブサイト
X - 広島サンダーズ(@Thunders_JT)
Instagram - 広島サンダーズ(@ jt_thunders_hiroshima_official)
Facebook - 広島サンダーズ

担当社員のひとことプロフィール

※プロフィール掲載内容は2024年8月の取材当時のものです

(左)井上慎一朗選手。広島サンダーズ所属、主将・アウトサイドヒッター。最近、心の豊かさを感じた瞬間は、愛犬のチワワと触れ合った時。きつい練習から帰ってきて、癒やされるひととき。
(右)山本将平選手。広島サンダーズ所属、アウトサイドヒッター。最近、心の豊かさを感じた瞬間は、娘が「大人になったらJTに入りたい!」と言ってくれた時。

この記事を書いた人

ゆみ(こころノート編集部)

バイタリティあふれる若手社員。流行に敏感で、人の話を聞くことが好き。また、前時代的な慣習や価値観には疑問を持つ一面も。好奇心旺盛でたくさんの情報をキャッチするので、仕事でよくキャパオーバーになり、先輩ふたりに助けてもらっている。