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JTがメタバースでサステナビリティ!? 「JT Tobacco Farm」葉たばこ農場の何が見えるのか


そこにしかない体験を味わえる、メタバースのおもしろさ

メタバース(インターネット上に作られた3次元の仮想空間)って、おもしろいですよね。そこだけの世界観があって、同じ時間を過ごしている人(アバター姿だけど)がいて、一緒に遊んだり言葉を交わしたり。気心が知れた友だちとカフェでおしゃべりするのも楽しいけれど、仮想空間でしか会わない人とのおしゃべりも違う楽しさがあるんです。

なんでこんな話をするかと言えば……、実はJTもメタバースをやっていて(ちょっと意外じゃないですか?)、皆さんにも楽しさを知ってほしいと思ったから。
ということで、プロジェクトチームのメンバーに見どころなどを聞いてきました。

生産者の物語を通して葉たばこの魅力に触れられる「JT Tobacco Farm」

道の駅とかで「この野菜は私がつくりました」みたいなPOPありますよね。生産者さんの顔写真やコメントを見ながら「この人が一生懸命つくったんだ」と背景にある物語を想像すると、なんとなく野菜のおいしさがアップするような気がしませんか。

たばこにも原料の葉たばこを栽培する農家さんがいて、産業として地域経済に貢献している側面があります。そんな葉たばこ農家さんの物語に触れられるのが、ソーシャルVRプラットフォーム「VRChat」からアクセスできる仮想空間「JT Tobacco Farm」です。

さっそく私も体験してみました。葉たばこ農家と農場を再現した空間は、どこかノスタルジーを感じさせる「昔ながらの田舎の景色」といった雰囲気でした。日本家屋でくつろぎながら、たまたま出会った別のユーザーにあいさつしてみたり、掲示板で農家さんのストーリーを読んだり。ぐるっと回るとJTグループのサステナビリティの取り組みを学べるようになっています。

メタバース空間だから実現できた、いつでも遊びに行ける葉たばこ農場

「JT Tobacco Farm」を企画した大嶋 恵(おおしま めぐみ)さん、コンセプトの具体化やコンテンツ開発を担当した張 モウジ(ちょう もうじ)さん、農場見学ツアーイベントを担当した本 晃伸(もと あきのぶ)さんにお話を聞きました。

ゆみ: サステナビリティの取り組みを伝えるのに、どうしてメタバース空間を選んだんですか?

大嶋さん: 私がメタバース空間でよく遊んでいたんです。日頃の生活で交流する機会がなかった方とバーチャルの世界で交流することが楽しくて、仕事で使えないかと。メタバース利用者の中にはJTと接点がない若い世代も多いだろうし、たばこを吸われる人、吸われない人、年齢性別に関係なく幅広い人にJTの取り組みを知ってほしいという思いもありました。

張さん: 葉たばこ農場は中山間地域に位置する場合もあり、実際に現地でご覧になっていただくことが難しいです。でもメタバース空間にいつでも遊びに行ける葉たばこ農場があったら、より多くの人に農家さんの想いや産業としての魅力を知ってもらえるかもしれない……そう思って「JT Tobacco Farm」の施策に参加しました。

本さん: 仮想空間で参加者と会話しながらJTの取り組みを知ってもらえるのは「おもしろそうだな」と思いましたね。

ゆみ: どんなところにこだわって「JT Tobacco Farm」を作りましたか?

大嶋さん: 本物に近いリアル感と、ずっと飽きない居心地のよさです。私の経験上、メタバース空間というのは、人が集まってコミュニティを形成して気の合う仲間と日々談笑したり、その空間の中で実際に暮らしているかのように過ごす、みたいな使われ方が多いんです。派手な演出よりも、何時間いても退屈せず、くつろげることを意識しました。家の中に差し込む光や影の落とし方など、細かく作り込むほど没入感が増すので、時間を忘れて過ごせる空間になるんです。「JT Tobacco Farm」は昼バージョンと夜バーションの2つを作成しました。どちらもぜひ体験してほしいです。

本さん: メタバース空間で自分のアバター写真を撮って、SNSで「いいね!」をもらう。そういう楽しみ方をする人も多くいます。家の中のドアノブや湯飲みなどもリアルに再現されていて「映える」空間だと思います。

張さん: 一般のメタバースユーザーにとって、葉たばこは謎が多い植物だと思うので、できるだけリアルな畑と葉たばこ一株一株を再現しています。バーチャルだからとイラストに頼らず、リアルな写真を駆使して実寸サイズで表現した葉たばこにぜひ注目してほしいです。

ゆみ: よりリアルに再現することで、農家さんの暮らしやたばこ耕作のことをしっかり紹介しようという狙いもあるんですね。

張さん: はい。農家さんのリアルという点では、日本的な農家の家屋と、その隣には収穫した葉たばこを乾燥させる小屋もメタバース空間内に作りました。実在する農家さん3名のストーリーと、葉たばこの幹から和紙を作るJTの取り組みも紹介しています。ぜひ葉たばこ耕作の魅力や、農業としての持続可能性を感じていただきたいですね。

ゆみ: 3名の農家さんは、どのようなサステナビリティの取り組みをしているんですか?

張さん: 1名は、システムエンジニアから葉たばこ農家になった方で、IT化やエコ乾燥機を導入して環境に配慮したたばこ耕作を実践しているストーリー。もう1名は、江戸時代から続いている農家さんで、伝統的なやり方を大切にしながらJTと一緒に新しい農機を開発したストーリー。さらにもう1名は、たばこ耕作をしながらアーチェリーの選手として活躍している農家さんで、ワークライフバランスを実現しているストーリー。三者三様の、持続可能なたばこ耕作に挑むストーリーを紹介しています。

ゆみ: 「JT Tobacco Farm」の一般公開に合わせてメタバース空間の農場を見学するツアーイベントを実施したそうですが、反応はいかがでしたか?

本さん: とても盛り上がりました。当初は30分の予定でしたが、1時間半くらいになりましたから。参加者の皆さんが「植物としての葉たばこ」や「農家に関わるストーリー」に興味を持ってくれたのは非常にうれしかったです。

大嶋さん: 私も「葉たばこを初めて見た」「葉っぱって、こんなに大きいんだね」というリアクションは印象に残っています。

張さん: 成長した葉たばこは、人間の身長ほどの高さになる品種もありますからね。他にも「農家さんの耕作に対するこだわりや想いが伝わった」「真摯にサステナビリティに関する取り組みをしていることがよくわかった」といった声が多かったですね。

ゆみ: 手応えバッチリ、ということですね。今後の展望はありますか?

本さん: 地域の夏祭りにVRゴーグルを持っていってメタバース体験会を行いましたが、そういう活動は今後も続けていきたいです。

張さん: これまでは社内外から寄せられる「実際の葉たばこ農場を見たい」というリクエストに応えられないこともありましたが、メタバース空間にある葉たばこ農場ならばすぐに案内できるので、さまざまな場面で活用していきたいです。

大嶋さん: とてもいいですね! 「JT Tobacco Farm」をサステナビリティの情報発信だけでなく、現場に根差した活動に使ってもらえたらうれしいです。

未知のものに触れる体験は、心を豊かにしてくれる!?

「JT Tobacco Farm」では、サステナブル(持続可能)なたばこ耕作の実現に向けて、JTと葉たばこ農家さんのさまざまな取り組みが紹介されていました。環境に配慮したエコ乾燥機、次世代につなぐための新しい耕作技術、農閑期にアスリート活動をしている農家さんのワークライフバランス紹介など……。

メタバースの葉たばこ農場を歩き回って、いろいろな想いをもってたばこ耕作に向き合う農家さんがいることを知ることができました。

そこが仮想空間だったとしても、知らなかったことを知る、見たことがないものを見る体験は、誰かに、何かに、想いを寄せるときの想像力を膨らませてくれるんだなぁ。心の豊かさって、未知のものに触れる体験をすることなのかもしれませんね。

関連リンク

JT 初となるメタバース空間上で JT グループのサステナビリティの取り組みを 体験できる「JT Tobacco Farm」を公開

バーチャル葉たばこ農場「JT Tobacco Farm」PRムービー【JT公式YouTube】

担当社員のひとことプロフィール

※プロフィール掲載内容は2023年12月の取材当時のものです

(左)大嶋 恵さん。JTサステナビリティマネジメント部で「JT Tobacco Farm」を企画。取材時はJTインターナショナルに出向。最近、心の豊かさを感じた瞬間は、あったかい豚骨ラーメンを食べたとき。
(中央)本 晃伸さん。JT 国内たばこ事業 Agronomy & Leaf West(西日本原料本部)。葉たばこ農家との契約業務、物流業務に従事。最近、心の豊かさを感じた瞬間は、動画配信サービスでおもしろい作品を見つけたとき。
(右)張 モウジさん。JT 国内たばこ事業 Agronomy & Leaf West(西日本原料本部)。普段は葉たばこ農家への技術支援や調達した葉たばこの品質評価などの業務に従事。最近、心の豊かさを感じた瞬間は、小雨が降る中で温泉に入ったとき。

この記事を書いた人

ゆみ(こころノート編集部)
バイタリティあふれる若手社員。流行に敏感で、人の話を聞くことが好き。また、前時代的な慣習や価値観には疑問を持つ一面も。好奇心旺盛でたくさんの情報をキャッチするので、仕事でよくキャパオーバーになり、先輩ふたりに助けてもらっている。