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「心の豊かさって、なんだ?」鬼が問いかける企業広告で、JTが伝えたかったこととは?


友達と笑い合っているときの幸せ、この正体って?

「心の豊かさ」と聞いて、私の中にパッと浮かんできたのは、友達と笑い合っているシーンでした。誰かと心を通わせて、楽しさを共有して、心からホッとしている様子が思い浮かびます。別のところでは、胸キュンドラマに心をときめかせている自分がいたり、ひときわ気合いが入る仕事に心をしびれさせている自分もいたりします。

なんとなくイメージできるけれど、「心の豊かさ」はひとつじゃないし、言葉にするのも難しい。どこか共通点があると思うけど、正体がわからない。毎日考えすぎてキャパオーバーになりそうです(笑)。

2024年4月から始まったJTの新しい企業広告も「心の豊かさって、なんだ?」と問いかけています。今回はその企業広告を取り上げることで、「心の豊かさ」を考えるヒントにしたいと思います。

「心の豊かさ」を問う、JTの新しい企業広告

JTの新しい企業広告は、山田孝之さん演じる鬼が「心の豊かさ」を探す旅に出るというシリーズで、テレビCMとグラフィック広告を制作しました。
まずはテレビCM「鬼のゆく道 登場」篇をご覧ください。

いかがですか? 私は初めて見たとき「なんで鬼なの?」「なんで問いかけるの?」と思ってしまいました。なぜ鬼になったのか、どんな想いがあったのか、担当メンバーに聞いてきました。

自分に、誰かに、「問う」ことを出発点に

JT パブリックリレーション部の蔭山健太(かげやま けんた)さんと大平崇依(おおひら すうい)さんにお話を聞きました。

ゆみ: 新しい企業広告は、2023年2月に発表されたJT Group Purpose「心の豊かさを、もっと。」を伝えていくものですよね。パーパス(企業の存在意義)を伝える企業広告で「問う」という演出を選んだのは、なぜですか?

蔭山さん: JTグループはこれまでも、心豊かに生きるための「とき」と向き合い、さまざまな価値を提供してきました。新しいパーパスには、過去から大切にしてきた価値観に加えて、未来に向けてお客様やパートナー、社会の皆様と一緒に「心の豊かさ」を育んでいきたいという思いも込められているんです。

大平さん: 「心の豊かさ」って時代や人々の価値観で変わっていくと思うんです。抽象的なもので、定義するのも難しいですよね。皆様と一緒に育んでいきたいものなので「これからの未来、どんなことが心の豊かさになっていくんだろう」と、まずは自分に、誰かに「問う」ことから始めてみることが、心豊かな社会を実現するための出発点になると考えたんです。

ゆみ: 今回の企業広告は鬼が旅をしていますが、主人公に鬼を選んだのはなぜですか?

大平さん: 「心の豊かさ」を問う側は、答えを知らない方が自然ですよね。「心の豊かさを知らない存在」をどう描いていくか、たくさん議論して、具体的な人物を設定しないことにしたんです。

蔭山さん: 私たちJTもまだ「心の豊かさ」に対する明確な答えを持っていませんし、仮に具体的な人物を設定したとして「この人はわかっていない」と否定したり「この人の心の豊かさはこれ」と決めつけたりする表現にはしたくなかったんです。

ゆみ: なるほど。そういう配慮もあったんですね。

大平さん: それで、日本人なら誰もが知っているだろうフィクションのキャラクターである鬼を「心の豊かさを知らない存在」として描くことにしたんです。

蔭山さん: テーマも「心の豊かさ」という抽象的なものですし、鬼という振り切った存在の方がCMを見てくれた方も「えっ、何?」と違和感を覚えて、視線を向けてくれると思ったんです。おとぎ話のキャラクターを現代に登場させることで、堅苦しくない表現、印象に残る表現を目指しました。

ゆみ: ナレーションも昔話の口調というか、おとぎ話っぽい雰囲気があって、私は好きでした。お二人が「ここは!」というこだわりポイントを教えてください!

大平さん: 30秒のCMなのですが、セリフがとても少ないんです。CMを見てくれた方がそれぞれに「心の豊かさ」を考えるきっかけになれば……という狙いもあって「心の豊かさ=○○」とステレオタイプなイメージを抱かせないように気をつけました。

蔭山さん: ある程度余白を残したセリフになるよう、企画が決まってからも広告会社と何ターンもやりとりをしましたよね。

大平さん: 山田孝之さんをはじめ出演いただいたキャストの皆さんがとても演技派で、少ないセリフでも説得力がある仕上がりになりました。

蔭山さん: オリジナルで制作したBGMもマッチしていて、おもしろいCMになったと思います。

ゆみ: BGMも耳を澄ませて聞きたいと思います。CMを見てくれた方に、どんなふうに受け止めてほしいですか?

大平さん: 世の中の皆様に、JTが「心の豊かさ」を掲げていることを知ってほしいです。そして、なんとなく「心の豊かさって何だろう」と考えるきっかけになるとうれしいです。

蔭山さん: 加えて、社内ではこれまでも同僚から「今のCMいいよね」と言ってもらうことはありました。今回もいいね、と思ってもらえたらうれしいですし、今回のCMを社外の人と会話するきっかけに使ってもらえたらいいなと思います。

ゆみ: 社内のお話が出ましたが、「心の豊かさって、なんだ?」というメッセージを社内やJTグループのメンバーが受け取って、どんな事業が生まれてくることを期待しますか?

大平さん: JTの既存事業だけにとらわれない、世の中の皆様が「心の豊かさ」を感じる「とき」を支援できるような事業が生まれてくるといいですよね。例えば、D-LAB(ディーラボ)の呼吸するクッション「fufuly(フフリー)」は好例だと思います。

蔭山さん: 私は日常のことも仕事のことも忘れて没頭する何かがないと、人生はおもしろくないと思うんです。具体的なイメージはないですが、既存事業の発展形なのか新規事業なのか、人を何かに没頭させるようなサービスが生まれて、ビジネスとして成立するとおもしろいだろうなと思います。

「心の豊かさ」は、変わっていくもの

今回の取材で印象に残ったのは、人々の価値観が変わっていくと、その時代にあった「心の豊かさ」も変わっていくという言葉。「心の豊かさ」は人それぞれでいいものだし、変わっていっていいものなんですよね。きっと私も仕事の経験を積んでいったり、生活環境が変わったりすれば、パッと浮かぶ「心の豊かさ」も変わるのだろうと思います。

そして「心の豊かさ」を自分に問いかけることは、周りの人を思いやることだったり、未来への想像力を働かせることだったりするんだろうと思いました。「心の豊かさ」って、立ち止まって考えられる心のゆとりを持つことなのかなぁ、今回の取材でそんなふうに私は感じました。

関連リンク
鬼のゆく道
呼吸するクッション「fufuly(フフリー)」
生き物?相棒?ゆっくり呼吸をする「fufuly(フフリー)」とは一体!?

担当社員のひとことプロフィール

※プロフィール掲載内容は2024年2月の取材当時のものです

(右)蔭山健太さん。JT パブリックリレーション部。最近、心の豊かさを感じた瞬間は、世界的音楽ユニットの来日公演を見に行ったとき。何もかも忘れて爆音を浴びて踊るのは楽しい。
(左)大平崇依さん。JT パブリックリレーション部。最近、心の豊かさを感じた瞬間は、趣味の登山で登頂したとき。文明の道具では行けないところに自分の足で行って見た景色は特別。

この記事を書いた人

ゆみ(こころノート編集部)
バイタリティあふれる若手社員。流行に敏感で、人の話を聞くことが好き。また、前時代的な慣習や価値観には疑問を持つ一面も。好奇心旺盛でたくさんの情報をキャッチするので、仕事でよくキャパオーバーになり、先輩ふたりに助けてもらっている。