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将棋日本シリーズ公式SNSアカウントの“中の人”が伝えたい「将棋の面白さ」って?


ゲームをしているとき、僕の心は「豊か」……かも!?

先日、ふと「僕の心を豊かにするものって何だろう?」と考えた時、最初に思い浮かんだのが「ゲーム」。特に、じっくり作戦や戦略を考えられるようなシミュレーションゲームやボードゲームが好きで、そんなゲームをしているときは、けっこう「心が豊か」かも――。

そんなことを考えながら取材ネタを探していたところ、JTが協賛する「将棋日本シリーズ」の2024年度大会が開幕。将棋もさまざまな戦法を駆使した、戦略性が肝になるゲームです。さっそく会場にお邪魔して、担当者に取材することにしました!

ここでしか見られない生対局!「将棋日本シリーズ」

JTは、文化支援として「将棋日本シリーズ」に協賛し、大会運営にも携わっています。

将棋日本シリーズは、トップ棋士12名が戦う「JTプロ公式戦」と、小学3年生以下の低学年の部、小学4〜6年生までの高学年の部に分かれて対局する「テーブルマークこども大会」が同日同会場で行われるイベントで、毎年全国11地区で開催されています。JTプロ公式戦の対局は、ABEMA(生中継)や日本将棋連盟公式アプリ(棋譜中継)で配信されており、また、JT公式SNSを通じて、開催地の人だけでなく全国のファンに将棋の楽しさを届けています。

「指す将」にも「観る将」にも、将棋の楽しさをもっと届けたい!

将棋日本シリーズを運営する一環として、X(旧Twitter)の「将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」公式アカウントの運用も担当している、パブリックリレーション部の杉澤朱梨(すぎさわ あかり)さんに、話を聞きました。

ゆうと: 「JT プロ公式戦」の公式アカウント、僕もよく見ています。棋士の写真がかっこいいですよね! 写真のチョイスも含めて、どんなことを心がけて投稿内容を考えていますか?

杉澤さん: トップ棋士の、普段見ることができない一面を皆さんに見てもらえるように心がけています。例えば写真でいうと、会場や配信映像では見られない角度から撮影したものを意識して選んでいるんです。

あとは、どんな方にも親しみやすさを感じていただけるようなフランクさも、心がけていることの一つ。SNSや動画配信サイトの影響で、今の「将棋好き」って多様化しているんですよ。自分で将棋を指す「指す将」だけでなく、対局の観戦やイベント参加を主に楽しむ「観る将」や、将棋のルールはまだよく分からないけれど気になる棋士がいる、といったライト層など……。“お堅い”イメージのある将棋だからこそ、多様な将棋ファンや、これからファンになりそうな人など、広くたくさんの人に興味を持ってもらいたいと思っているんです。これまでアカウントを運営する中で、カジュアルな投稿は多くの人に喜ばれる傾向があったので、現在も意識してそんなトーンを心がけています。

ゆうと: 投稿に対してファンの方が喜んでコメントをしている様子、僕もよく見かけます! 杉澤さんは、元々SNSをよく使っていたんですか?

杉澤さん: いえ、実は全然そんなことはなくて(笑)。見るばかりだったんですが、担当になってからは投稿文をたくさん考えて慣れるとともに、ファンの方に“刺さる”投稿を模索しています。どんな言葉だったら喜んでもらえるか、日々研究ですね!

ゆうと: 杉澤さんが思う将棋の魅力や、将棋日本シリーズならではの面白さは何ですか?

杉澤さん: 駒の動かし方とルールさえ知っていれば、年齢や性別に関係なく対等に戦えるゲームだということでしょうか。どんな人でも垣根なく楽しめるのが、将棋の魅力だと思います。

その点、将棋日本シリーズは「テーブルマークこども大会」も同日同会場で開催されるので、そんな将棋の魅力がカタチになったイベントだといえます。過去にこども大会に参加した子がプロ棋士になって、「JTプロ公式戦」に出場することもあるんですよ。2024年の「JTプロ公式戦」初出場の伊藤匠叡王や佐々木大地七段も、こども大会出身です。こども大会で出会い、対局したこども達が、いずれ生涯のライバルになる――そんなことが起こりうるのも、将棋日本シリーズならではの面白さだと思います。

また、わずかな持ち時間での「早指し」と「公開対局」は、「JTプロ公式戦」ならではの見どころ。実際に会場でトップ棋士の対局を間近に見ると、気迫や緊張感が伝わってきます。ぜひ一度、会場に足を運んで体感していただきたいですね。

ゆうと: 今回初めて生で観戦して、あれだけの観客の中でも集中して対局をするプロ棋士の姿に、僕も圧倒されました……! ところで、大会やSNSの運用を通して、杉澤さんが「手応え」を感じる時って、どんな時ですか?

杉澤さん: SNSは受け手の顔が見えにくい分、引用ポストや返信は全て目を通していますが、その際に伝えたいことが伝わったことが分かるリアクションがあると、手応えを感じます。

先日でいうと、会場ごとに出場する棋士のカードを作って配布しているのですが、配布の直前に棋士の持つタイトル(称号)が変わったので、急いで修正したんです。そのことをSNSで告知したところ、「棋士を大事にしてくれていることが伝わりました!」とファンから喜びのコメントが。将棋ファンの皆さんに喜んでいただけた時に、投稿や取り組みが「伝わった!」と実感して、うれしくなりますね。

ゆうと: 将棋ファンの方のリアクションも、SNS運用の原動力なんですね! それでは最後に、今後の展望を教えてください。

杉澤さん: 一人でも多くの方に将棋に興味を持っていただいて、トランプと同じくらい気軽に楽しんでもらえるようになったらいいなと思っています。

というのも、実は私自身も子どもの時に将棋を指していた、「子ども棋士」だったから。小さかった頃、父に将棋盤や駒をおねだりしたこともありました。大人になるにつれ将棋からは離れてしまいましたが、SNSの担当になったことをきっかけに、改めて将棋の戦法を勉強し直しています。将棋自体を理解しているかどうかがSNSでの発信にも表れると思いますし、少しでも「分かっている」人が投稿したほうが、将棋の魅力が伝わると思って……。日夜コツコツ、勉強ですね。そんな積み重ねを通して、もっといろいろな人に将棋の面白さを届けていきたいです!

“中の人”=将棋好き、だからこそ届くこと

「将棋が楽しい! 面白い!」という想いは、どれほど将棋ファンが多様化しても、ずっと持たれ続けるんだと思います。そんな将棋に向き合い、さらにはSNSの投稿手法の研究も欠かさない杉澤さんの言葉には、「この面白さを、たくさんの人に届けたい!」という意欲があふれていました。だからこそ、いろいろな人の心を満たし、豊かにする将棋の魅力を届ける発信ができているんだな、と。

「JTプロ公式戦」は現在も開催中。準決勝と決勝戦を控えています。皆さんもぜひSNSや配信、現地での観戦で、将棋の世界に飛び込んでみてください!(2024年10月時点情報)
※棋士のタイトル・段位は2024年7月の取材当時のものです

関連リンク
将棋日本シリーズ
X - 将棋日本シリーズ JTプロ公式戦(JT杯)【公式】(@jt_shogi)

担当社員のひとことプロフィール

※プロフィール掲載内容は2024年7月の取材当時のものです

杉澤朱梨さん。JT パブリックリレーション部所属。最近心の豊かさを感じた瞬間は、ある休日、一緒にブランチに行った2歳の娘がメニューをめくりながら「ママ、ビールでいい?」と聞いてきた時。思わず笑顔になるのと同時に、成長をしみじみと感じたそう。

この記事を書いた人

ゆうと(こころノート編集部)

効率良く働くことがモットーの、まじめな元エンジニア。仕事はなるべく定時で終わらせて、プライベートの時間を大事にしている。学生の時から、社会課題に対する関心が高い。高校時代はバレーボール部に所属していた。