非常時にも心の豊かさを保てたなら……

2日ぶりに浴びたシャワーはとても気持ちよかったです！ 実は近所の工事で家が断水に見舞われたのですが、銭湯に行くにもちょっと遠かったので我慢していました。

お風呂に入ってスッキリできなくて、少し心がささくれ立ったとき、「普段、当たり前にできること」である「入浴」って心の豊かさを守ってくれているんだなぁ、と感じました。

そんなことを考えていたら、僕よりもっと長い時間、お風呂どころかシャワーすら浴びることができない人たちがいることに気づきました。そう、ISS（国際宇宙ステーション）に滞在される宇宙飛行士です。

そこで今回は、宇宙飛行士のみなさんに温泉気分を味わってもらおうという、ユニークな取り組みを紹介します。

宇宙で “いい湯だな♪” を体験できる「湯るまる　クラフト温泉成分配合の温感ボディーシート」

実はJTって、JAXA（宇宙航空研究開発機構）のTHINK SPACE LIFEアクセラレータプログラムに参加しているんです。「JT」と「宇宙」の組み合わせって、かなり意外ですよね？開発されたのは、「湯るまる　クラフト温泉成分配合の温感ボディーシート」。「温泉」とは、これまた意外じゃありませんか？ シャワーの代わりなら、汗を拭き取る冷感ボディーシートでもいいと思うのですが、なぜ「温泉」なのか!?

「湯るまる　クラフト温泉成分配合の温感ボディーシート」は、宇宙で温泉体験ができることを目指す温感ボディーシートで、凝縮された温泉エキスと温泉を想起する香りを含んだ美容シートが、宇宙飛行士に安らぎの時間を与えられないかと考え、生まれてきたのだそうです。また、ISS内という閉鎖環境ならではのコミュニケーションの難しさを解決するアイテムとなることも期待される商品です。

なるほど！ いや、それでも謎が多いので、これは詳しくお話を聞いてみたいですね！

裸の付き合いを楽しみ、宇宙で「湯るまる」！

新たな研究や事業により「心の豊かさ」を研究、探索するJT D-LAB（ディーラボ）の、宮 大史（みや ひろし）さんに、お話を聞きました。

ゆうと： 宇宙で使える生活用品に挑戦しようと思った理由を教えてください。

宮さん： 宇宙生活のような極限環境でこそ必要とされる商品やサービスを開発することが目的です。もっと言うと、その開発、実証プロセスの中で、心の豊かさに関する大切なインサイトが見つかることに期待しています。私たちは地球で生活していますが、地球を飛び越え宇宙の厳しい環境に目を向けることで、よりダイナミックなインサイトが見つかり、地球、地上だけに目を向けて考えているよりも心の豊かさの視野が広がるんじゃないか。そして、宇宙環境で認められる商品ができれば、地球のあらゆる厳しい環境でも通用するんじゃないかと考えました。

ゆうと： なぜ、「湯るまる クラフト温泉成分配合の温感ボディーシート」を作ろうと思ったのですか？

宮さん： 宇宙飛行士のいる宇宙生活の環境下には、お風呂もシャワーもないことを知ったからです。そこから宇宙生活の課題を想像し、深堀りし、宇宙産業に携わるエキスパートの方々のお話をもとに心の豊かさにつながる「チルアウト感×JT」ならではの「嗜好品×宇宙飛行士のQOL（生活の質）の改善」という視点から、「湯るまる　クラフト温泉成分配合の温感ボディーシート」を作りたいと思いました。お客様に提供したい大枠としての価値はチルアウト（心を落ち着かせること）なのですが、最初は化粧パックのような美容マスクシートも並行して制作していました。ただ製品を磨き込んでいくうちにボディーシートのほうが全身に使用できるし、どんな方にでも使っていただけますからね。

ゆうと： 「湯るまる　クラフト温泉成分配合の温感ボディーシート」って、どんな使用感のある商品なのですか？

宮さん： お風呂やシャワーの代わりとなるので、拭いたら体がポカポカと温まります。ボディーシートと聞くと、ヒンヤリ冷感タイプの商品が一般的ですが、このボディーシートは温感です。名前に「温泉」が入っているのは、共同開発をしている株式会社Le Furo（ル フロ）が、温泉水を凝縮してエキス化できる技術を持っており、それを活用しているので「クラフト温泉」という名前を使っています。

ゆうと： “体を拭いてきれいになれる、温泉成分のあったかシート”なんですね。宇宙・地球関係なく商品としても新しいので、開発時に苦労した点もあるのでは？

宮さん： ボディーシートを通じて温泉体験をしてもらうことですね。どうやったら温泉の雰囲気を感じてもらえるか。感じ方は人それぞれなので、テストを繰り返しながら、温かさの加減、温泉のミネラル成分の配合や調整、香りづけには苦労しました。また、アルコールなど揮発性のある成分は宇宙に持っていくことが禁止されているので、そういったことにも気を配りました。

ゆうと： テストを繰り返しているなかでの発見や、面白いエピソードはありましたか？

宮さん： ありましたね。実証実験をしたときに、利用者たちの間で「自分の地元には、こういう温泉があってさ…」みたいなコミュニケーションが生まれたんです。「裸の付き合い」という言葉もありますが、温泉成分を配合したこの商品にもコミュニケーションを発生させる力があると感じました。ひとの心の豊かな状態って、ある種、人との繋がりが大事だな、と。

ゆうと： 宇宙の話で「裸の付き合い」が出てくるとは思ってもみませんでした。面白いですね！人と人とのつながりが生まれると、心も豊かな気持ちになりますよね。

宮さん： そうですよね。ISSでは長期間、他人を気にしながら閉鎖空間で生活するわけですから、コミュニケーションは大事です。拭いたらきれいになるとか、保湿成分があるなどの機能的な価値も必要ですが、一番は温泉体験。温泉に漬かったときの「あ～～～温泉に来たぁ～！」「ふぅぅぅ～気持ちいい～！」といった情緒的な価値を感じてもらうことが大切かと。私はその状態を「ゆるまる」と呼んでいます。「今日も疲れたな、旅行して温泉に行きたいな」と思うことがあるかと思いますが、温泉を身近ですぐ体験できて「ゆるまる」ような情緒的な気持ちになってもらいたいですね。

温泉体験が届けてくれる、非日常の心の豊かさ

JT×宇宙って最初は意外すぎたのですが、お話を伺って色々と納得できました！

地球でもコロナ渦があったし、自然災害も起きています。一時的であっても宇宙と同じように周囲から隔離されたり、避難が必要な状況も起こりうるんですよね。

「湯るまる　クラフト温泉成分配合の温感ボディーシート」は、そうした状況をはじめ、僕のように工事で断水になってしまったり、停電でお湯が沸かせない場合、さらには釣りやキャンプなどのアウトドアにも使ってもらえたら、と宮さんは言っていました。

お風呂やシャワーに入れなくても、温泉体験で気持ちが少しゆるまって心にゆとりを感じられるし、コミュニケーションのきっかけにもなる。非日常下でも心の豊かさを忘れないって本当に大事だなと思いました。

今回紹介した「湯るまる　クラフト温泉成分配合の温感ボディーシート」はJTの商品ページや、パートナー企業の株式会社Le Furo（ル フロ）のサイトでも紹介していますので、宇宙飛行士も使うかもしれない、この商品を詳しく知りたい方はそちらをどうぞ！

関連リンク
株式会社Le Furo（ル フロ）

担当者のひとことプロフィール

宮 大史さん。JT D-LAB（ディーラボ）所属。心の豊かさを感じた瞬間は、息子から、「とと（お父さん）へ。100点取ったよ！」という手紙をもらい、裏返したら100点満点のテスト用紙でした。頑張って取れた100点満点を見て、手紙、テスト用紙から溢れ出る息子の笑顔・喜びに成長を感じとれたこと。

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