追求するのは「おいしさ」だけじゃない! JTグループ本社の食堂へのこだわり
日々の楽しみ、ランチタイム
忙しい日々の中で、ほっと一息つける時間といえばランチタイム。午前の仕事にひと区切りを付けて、午後に向けてエネルギーチャージ……私にとって大事な時間です! こころノート編集部のみんなと一緒に、JTグループ本社内の食堂でわいわいとお昼を食べるのは、毎日の楽しみになっています。
この間もメニューを選んでいたのですが、「特別栽培米コシヒカリ」や「青森県産の焼きサバ」などの情報がひと言添えられていることに、ふと気付きました。これまでは何気なく見ていたけれど、この食堂ってもしかしたら食材にかなりこだわっているのかも……?
“つながる食堂” に込められた想いとは?
JTグループ本社にある食堂は、平日の11:30~13:30までの営業。定食、丼ものやうどん・そば、カレーなど、7種類のメニューが日替わりで提供されています。また、コーヒーや軽食が楽しめるカフェも併設。いずれも、JTグループ社員だけではなく、来社したお客様や取引先の方も利用できる、開かれた場です。
そんな食堂の名前は、「つながる食堂『&』(アンド)」。“つながる食堂”って、どういうこと? 食材へのこだわりと、何か関係があるの? 当たり前のように利用していたけれど、食堂について知らないことはたくさんありそう。食堂のこだわりを探るため、担当する社員の方に取材をしてみることにしました。
「新しいアイデアやつながりを生み出せる場」を目指す
JT本社で、「つながる食堂『&』」を立ち上げ、運営・管理を担当する、内藤祥称(ないとう・さちな)さんにお話を聞きました。
ゆみ: 私も「&」をよく使っています! この食堂は、どんな想いから生まれたんですか?
内藤さん: まず、「心の豊かさを、もっと。」というパーパスに基づいて、このJTグループ本社を “パーパスを体現・体現する場” として位置づけました。だから実は、「&」は単なる福利厚生施設としてとらえていないんです。どんな人にも共通する「食」を通して、豊かさを体現・体感する場、という役割を担っていると考えています。
それを踏まえ、リモートワークが広がり出社しない人も増える中で、社内の食堂はどんな場所であるべきか、ということを考えました。出社をして食堂に訪れ、同僚とお昼をとりながら雑談をして気分転換したり、それをきっかけに良いアイデアを思いついたり……。社内の食堂は、そんな“リアルなコミュニケーションが生む豊かさ”を感じられる場なのではないか。加えて、社員同士だけではなく、お客様や取引先の方とも一緒に食事をして「おいしい!」と共感し合い、それを通じて新しいつながりやアイデアが生まれるきっかけづくりができたら——そうした想いから、“みんながつながる食堂”として『&』」を立ち上げました。
ゆみ: 「つながる食堂『&』」という名前の由来が分かった気がします。「&」の企画・運営においては、どんなことを大切にしているんでしょうか?
内藤さん: 何よりも大切にしているのは、提供する食事がおいしいこと。そのために、素材にはかなりこだわっています。料理の材料は、主に有機野菜や国産の魚・肉を使用。運営会社を通じて各地の小規模な生産者から、新鮮で質の良い食材を仕入れています。どれも、個人経営の農家さんがこだわりをもって作ったり、魚屋さんが毎日目利きをしてくれたもの。使用するお米も、五つ星お米マイスターが季節に合わせて選定してくれています。
いずれも大量購入ができない分コストはかかりますが、おいしさや安全に直結しますし、小規模な生産者の支援にもなるんです。さらに、こうした食材はメニューボードでも紹介しています。訪れた方々が、この情報を話題にして会話をしてほしい、という想いもあるんですよ。
また、おいしい食事を提供するために、調理にひと手間をかけることも大切にしています。食堂や給食は一般的に、短時間での大量調理や作り置きでの対応が基本となります。そうした場合、素材の状態や旬、季節に合わせた調整——つまり人の手を介した「さじ加減」で調理をするのが難しい場合もあるんです。でも「&」では、効率性にも配慮しながらも可能な範囲でできることを、常に模索しています。湯気が出ている食事を提供するために、時には大変であっても少量ずつ作ったり、野菜の切り方を工夫したり、火を入れるタイミングをずらしたり。調理工程だけでなく、調理場や提供スペースの動線の見直しまで、細部まで非常にこだわっています。
ゆみ: こんなこだわりのおかげで、いつでもおいしい料理が社内で食べられるんですね。併設するカフェについてはいかがでしょうか?
内藤さん: カフェも「&」と同様、運営会社の皆さんと協業しながら運営しています。特に注力しているのはドリンク。コーヒーは、豆の品質にこだわることはもちろん、フェアトレードやサステナビリティに配慮のある生産者さんから卸していただいています。また、月替わりの“マンスリードリンク”も人気で、旬の素材や日頃利用している従業員のニーズを踏まえたメニューをカフェのスタッフが開発しています。最近だと、徳島県産のすだちを使った「すだちモヒート」というノンアルコールカクテルが大好評! 一日に数杯飲む方もいたくらいです(笑)。
ゆみ: 来月はどんなドリンクが登場するか楽しみです! そんな魅力的な食堂やカフェの運営において、今後注力したいことや、展望を教えてください。
内藤さん: やりたいことはたくさんあります(笑)。例えば、先日はJTグループの加工食品事業を担うテーブルマークと連携し、賞味期限が近く一般に流通させるのは難しい商品をカフェで提供しました。従来はこうした商品は廃棄処分になっていたそうです。このようなグループ会社だからできる連携や、フードロス削減への取り組みは、「&」で意識して続けていきたいと思っています。
また、長期的な展望としては、「&」を訪れた全ての人が発見を持ち帰れる場にしたいと考えています。所属する組織の垣根を超えた交流を促せて、発想を共有できる食堂にするのが理想。それがゆくゆくは新しい事業につながったり、イノベーションのきっかけになったりしたらうれしいです。
「つながる食堂『&』」が提供する豊かさ
社内の食堂というと、そこで働く人に食事を提供する福利厚生施設というイメージが強いもの。しかし、「つながる食堂『&』」は、おいしい食事を通じて、“人とつながる豊かな時間”も提供するために運営されていました。
改めて食堂の様子をよく観察すると、皆さん笑顔でリラックスしている様子。内藤さんが言っていた、「おいしさを味わうことでつながる」とはこういうことなのだと、実感として分かりました。今後も、同僚やお客様などと誘い合って「&」に行き、さまざまなこだわりを味わいながら、豊かな時間を共有したいです!(2024年8月時点情報)
担当社員のひところプロフィール
内藤祥称さん。JT 人事部。最近心の豊かさを感じた瞬間は、普段使いのかばんを買った時。あれこれ迷ったけれど、結局は以前に使っていたものを再度購入したそう。これが自分にとってのベストなかばんなのだと気付き、何だかちょっとうれしい気分になったとのこと。